なんとも不思議なポリアの壺問題

ポリアの壺モデルがあまりに不思議なのでメモ.

ポリアの壺モデルとは無限の収容力がある壺に紅白2色のボールを1つずつ入れていて,その中から一つ取り出したときに赤が出れば赤を1つ追加,白が出れば白を一つ追加するというモデルである.これを繰り返していくと壺の中の赤色の割合は収束するのかそれとも振動するのかというのがポリアの壺問題.

もちろん最初がランダムで,その次からは最初の結果に大きく依存して確率が変化することはわかる.けど,単純に1に収束や0に収束ではなく,様々な値に収束するらしい(振動ではなく!)これがなんとも気になったので簡単に計算してみた.

par(mfcol = c(2,2))
for(i in 1:4) {
    red <- 1
    white <- 1
    Pred <- red/(red + white)
    for(i in 1:10000) {
        if(runif(1) <= (red/(red + white))) {
            red <- red + 1
        } else {
            white <- white + 1
        }
        Pred <- c(Pred, red/(red + white))
    }
    plot(Pred, type="l", ylim=c(0,1))
}

f:id:harapon1012:20110701213610j:image
4回やってみた結果は次の図のようになる.たしかに振動していないで収束しているし,その値も毎回0.8だったり,0.4だったり,0.3だったり,0.6だったりする.ふっしぎー.こういうのを経路依存性といい,一般化されたポリアの壺過程としてErmoliev and Kaniovski (1983)として一般化されてるらしい.また,このポリアの壺と複雑ネットワークは特定の条件下での同値性も示されているらしく,抽象モデルとしてかなり含意がありそうだ.