Information value and sequential decision-making in a transport setting: an experimental study

Denant-Boemont, L., Petiot, R., Information value and sequential decision-making in a transport setting: an experimental study, Transportation Research Part B, vol.37, pp.365-386, 2003.

実験経済学的手法により情報価値(IV)を評価するという内容.アブストがおもしろそうだったので読んでみたのだが,ちょっと自分が想定していたものとは違う内容だった.
内容としては交通行動における出発時刻選択と経路選択問題の下で情報提供に料金を取ることで,人々がどのようい行動するか,より具体的に言えば理論的な結果と実験室実験の人々の行動は異なるかを実証する内容である.最初には合理的な個人を仮定する理論的な答え,これ自身に特段の驚きはなく,次に実験室実験の設定,10名×3セット.その結果のクロス集計とウィルコクソン検定をやったという話.うーーーん.なんか正直自分でも思いつきそうというか,修士時代はこういうことをしようとしていた気がするんだが.
結局,実験室実験で上がってきたデータが理論と違うのは当然だし,そのメカニズムを明らかにしてこそ,という気がするが,理論と違いますね,限定合理性ですね,というだけはなんか非常にずるい気がするのですが.というか,むしろその上がってきた理論と違うデータをどうやって統計的なモデルに落とし込むのかに興味があったわけですが,そういう意味では残念.しかし,交通の分野でもこういう研究は(非常に少しではあるが)あるようだ.その他の交通行動の実験経済学的手法としてはDavis and Holt (1993), Delvert and Petiot (1999), Delvert et al. (2000), Denant-Boemont et al. (1999), Schneider and Weimann (1997)など.

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