Discrete choice models with multiplicative error terms

M. Fosgerau, M. Bierlaire, 2009, Discrete choice models with multiplicative error terms, Transportation Research Part.B, Vol.43, Issue.5,494-505.

行動モデルの論文.これまでのVとεの和で表すRUMモデルに代わるものとして,積で表すモデルを提案する.このモデルは意思決定者が選択肢間のVの絶対的な差よりも相対的な差を評価することがあるという考えに一貫している.このタイプのモデルの特徴を開発し,数ケースにおいて加法の定式化から乗法による定式化への変化を示した.これにより,適合度が上昇するとともに,ある場合においてはVにランダム係数を導入するよりも良い改善が見られた.

線形パラメータがよく使われる(時間価値とか弾力性,代替性に便利だから)この論文ではVの特定化はfixして,誤差項の構造に焦点を当てる.また,Vが線形パラメータであることを必要としない.

選択肢のすべての効用にある値を足しても選択確率に影響を与えないが,かけると影響を与える.

U=Vεと定式化する.これは両方が正であれば,対数をとってln U = ln V + ln εとなる.これは新しい考えでもなく,計量経済学のノンパラメトリックモデルの最近の研究にあるモデル.

Pr(Viεi ≧Vjεj)
=Pr(-ln(Vi)-ln(εi) ≧-ln(Vj)-ln(εj))
ここで-ln(εj)=ξj/λ
ξj:ランダム変数
λ>0:ξjに関するスケールパラメータ

このモデルは最終的には加法のランダム効用のフレームワークで対数形によって書ける.
Vi=-λ ln(-Vi)

MNLだと
P(i|z,s)=e^(-λln(-Vi))/Σ(e^(-λln(-Vj)))=-Vi^(-λ)/Σ(-Vj^(-λ))
と書ける.

  • Keywords
    • Discrete choice
    • Multiplicative specification
    • Multivariate extreme value
    • Random scale
    • Heteroscedasticity